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用語比較

仮名加工情報と匿名加工情報の違い

仮名加工情報と匿名加工情報は、どちらも個人情報を加工して作る情報で、個人情報保護法に定めがあります。違いは、加工の強さと、できることの範囲です。仮名加工情報は、他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない程度に加工した情報で、事業者の内部で使うことが前提です。匿名加工情報は、特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元することもできないようにした情報で、所定の公表をすれば第三者へ提供できます。

G検定では、元に戻せない加工か、他の情報と照合すれば識別できる加工かを先に見て、仮名加工情報と匿名加工情報のどちらの話かを判断します。設問に「復元できない」とあれば匿名加工情報、「第三者提供は原則できない」とあれば仮名加工情報を疑います。

このページは、名前を消せばどちらも同じだと覚えている人と、第三者提供のルールを取り違えやすい人を対象にしています。定義の違い、第三者提供の可否、本人を識別する行為の禁止の3点から、見分ける手順を整理します。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。G検定の一次情報確認日: 2026-10-02。

結論

仮名加工情報

他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工した情報。法令に基づく場合を除き、仮名加工情報である個人データの第三者提供はできず、利用も特定した利用目的の範囲に限られる。

匿名加工情報

特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元できないようにした情報。作成時に項目を公表し、第三者へ提供するときは項目と方法の公表と、提供先への明示を行う。

違いを表で確認

比較軸仮名加工情報匿名加工情報
加工の程度他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない程度特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元できない程度
復元の可否復元できないことは定義の要素ではない復元できないようにしたものだけが該当する
第三者提供法令に基づく場合を除き、第三者に提供できない(個人データである場合は法第41条第6項、個人情報でない場合は法第42条第1項)項目と提供方法をあらかじめ公表し、提供先に匿名加工情報であると明示すれば提供できる
利用の範囲特定した利用目的の達成に必要な範囲を超えて取り扱えない法第43条に利用目的の範囲に限る規定は置かれていない
本人を識別する行為本人を識別するための他の情報との照合と、本人への連絡が禁じられる本人を識別するための他の情報との照合や識別行為が禁じられる

どこで迷っているかを切り分ける

01

氏名を消せばどちらも同じ情報になると考える人

氏名を消しただけでは、会員番号などを手がかりに他の情報と照合して個人を特定できる場合があります。その状態で内部利用に限る扱いが仮名加工情報で、復元もできない程度まで加工して提供できる扱いが匿名加工情報です。加工の程度が違います。

02

仮名加工情報も公表すれば第三者へ提供できると考える人

法令に基づく場合を除き、仮名加工情報である個人データを第三者に提供することはできません。公表すれば提供できるのは匿名加工情報の方です。第三者提供ができるかどうかは、2つを見分ける問題で最も出やすい論点です。

03

匿名加工情報なら何をしても自由だと考える人

匿名加工情報でも、作成した事業者は含まれる情報の項目を公表する義務があり、本人を識別するための照合や識別行為は禁じられます。個人情報ではなくなっても、取扱いのルールはなくなりません。

具体例で使い分ける

例 1

購入履歴を社内の分析にだけ使う場面

ある小売企業が、会員の購入履歴から氏名と住所を削除し、会員番号に置き換えたデータを、社内の需要分析にだけ使う場面です。

  • 会員番号と元の会員名簿を照合すれば、個人を特定できる状態です。
  • 他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できない程度の加工にあたります。
  • 社内で特定した利用目的の範囲で使い、外部には出しません。

結論: 他の情報と照合しない限り識別できない加工で、内部利用が前提なので、仮名加工情報にあたります。

例 2

統計データを複数の企業へ提供する場面

ある事業者が、個人を特定できず元にも戻せないように加工した利用統計を、複数の企業へ提供する場面です。

  • 特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元できないようにしています。
  • 提供する情報の項目と提供方法をあらかじめ公表します。
  • 提供先には、匿名加工情報であることを明示します。

結論: 復元できない加工で、公表と明示を経て第三者へ提供するので、匿名加工情報の扱いです。

例 3

「加工した個人情報」とだけ書かれた設問から種類を判断する場面

「個人情報を加工した情報の取扱い」とだけ書かれた設問で、仮名加工情報か匿名加工情報かを判断する場面です。

  • 「加工した」という説明だけでは、どちらかは決まりません。
  • 復元できるか、第三者提供ができるか、という記述を探します。
  • 本人への連絡や照合の禁止が書かれていれば、あわせて手がかりにします。

結論: 復元の可否と第三者提供の記述まで確認して種類を判断します。

問題文から答えを選ぶ手順

  1. 1

    復元できないと書かれているかを見る

    設問が「元の個人情報を復元できない」加工を述べているかを先に確認します。述べていれば匿名加工情報、述べていなければ仮名加工情報も候補に残ります。

  2. 2

    第三者提供の記述を確認する

    法令に基づく場合を除いて第三者提供ができないという記述は仮名加工情報、項目と方法の公表と明示を経て提供できるという記述は匿名加工情報です。

  3. 3

    利用の範囲を確認する

    設問に「特定した利用目的の範囲に限る」とあれば、仮名加工情報の説明を疑います。匿名加工情報には、利用目的の範囲に限る規定は置かれていません。

  4. 4

    識別行為の禁止を確認する

    どちらも、本人を識別するために他の情報と照合する行為は禁じられます。仮名加工情報では、本人への連絡も禁じられます。

試験での見分け方

  • 1元の個人情報を復元できないように加工したものは匿名加工情報。
  • 2他の情報と照合しない限り識別できない程度の加工は仮名加工情報。
  • 3法令に基づく場合を除き、第三者提供ができないのは仮名加工情報。
  • 4項目と提供方法を公表し、提供先へ明示して提供できるのは匿名加工情報。
  • 5どちらも、本人を識別するための照合は禁じられる。

誤答しやすい選択肢

名前を消せば匿名加工情報になると考える

修正: 復元できないようにしたものだけが匿名加工情報です。照合すれば識別できる状態は仮名加工情報の側にあたります。

仮名加工情報も公表すれば第三者へ提供できると考える

修正: 仮名加工情報である個人データは、法令に基づく場合を除き第三者に提供できません。提供できるのは匿名加工情報です。

匿名加工情報には義務がないと考える

修正: 作成に用いた個人情報から削除した記述等の安全管理措置(法第43条第2項)、作成時の項目の公表、提供時の公表と明示、本人を識別する行為の禁止などの義務があります。

仮名加工情報にも本人への連絡ができると考える

修正: 仮名加工情報を取り扱うときは、電話や郵便、電磁的方法などによる本人への連絡が禁じられます。

確認問題

Q1他の情報と照合しない限り特定の個人を識別できないように加工し、内部利用が前提の情報を何という?

答え: 仮名加工情報

照合すれば識別できる程度の加工で、法令に基づく場合を除き第三者提供はできません。

Q2特定の個人を識別できず、元の個人情報を復元できないように加工した情報を何という?

答え: 匿名加工情報

復元できないことが定義の要素です。作成時に項目を公表し、第三者へ提供するときは公表と明示を行います。

Q3仮名加工情報と匿名加工情報のうち、公表と明示を経て第三者へ提供できるのはどちら?

答え: 匿名加工情報

仮名加工情報である個人データは、法令に基づく場合を除き第三者に提供できません。

到達チェック

  • 仮名加工情報と匿名加工情報の定義の違いを、復元の可否で説明できる
  • 仮名加工情報が第三者提供できない点を言える
  • 匿名加工情報の提供時に必要な公表と明示を言える
  • どちらも本人を識別するための照合が禁じられることを説明できる
  • 仮名加工情報では本人への連絡も禁じられることを言える

同じ資格で次に知りたいこと

よくある質問

Q仮名加工情報は個人情報ではない?

A

個人情報に当たるものと当たらないものがあります。法第41条第3項は「個人情報であるものに限る」仮名加工情報の利用目的の制限を、法第42条第1項は「個人情報であるものを除く」仮名加工情報の第三者提供の禁止を、それぞれ定めています。

Q匿名加工情報は本人の同意なしに第三者へ提供できる?

A

法第43条第4項は、提供する情報の項目と提供の方法の公表と、提供先への明示を求めています。本人の同意を求める規定ではありません。

Q仮名加工情報を使って本人に連絡してもよい?

A

いいえ。法第41条第8項により、仮名加工情報を取り扱うときは本人への連絡等が禁じられます。

Qどちらも本人を識別する目的で他の情報と照合できる?

A

いいえ。仮名加工情報は第41条第7項、匿名加工情報は第43条第5項と第45条で、本人を識別するための照合や識別行為が禁じられます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)