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用語比較

偏相関係数と相関係数の違い(統計検定2級)

相関係数は、2つの変数XとYの直線的な関係の強さを-1から1で表す値です。偏相関係数は、第3の変数Zの影響を取り除いたうえで、XとYの相関を表す値です。相関係数は「そのままの関係」、偏相関係数は「Zの影響を除いた関係」を見ます。

統計検定2級の出題範囲表では、2変数以上のデータの「散布図と相関」の項目に、みかけの相関(擬相関)と偏相関係数が並んで挙がっています。XとYの相関が高く見えても、Zが両方に影響しているだけではないか、という場面で使い分けます。

このページでは、何を表すか、Zの影響の扱い、計算に必要な値という軸で比較します。数値例では、Zの影響を除くとXとYの相関がほぼ0になる場合と、ほとんど変わらない場合を、同じ式で計算して比べます。

この記事の根拠と出典

各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。統計検定2級の一次情報確認日: 2026-10-09。

公式一次資料と照合した内容
偏相関係数が、他の変数の影響を取り除いた2変数の相関であること、3変数の場合の計算式、値が+1・-1・0のときの意味はNISTのDataplotの偏相関の解説(https://itl.nist.gov/div898/software/dataplot/refman2/auxillar/partcorr.htm)を、出題範囲の項目(みかけの相関(擬相関)、偏相関係数)は統計検定センターの2級出題範囲表(2018年12月14日付)を、2026-10-16に確認しています。
編集部が学習用に整理した内容
みかけの相関の説明、Zが無相関なら相関係数と同じになること、相関係数との差の読み方、3つの数値例(学習用の仮の値)、見分ける手順、確認問題は編集部の学習上の整理です。

資格ごとの公式資料の一覧

結論

公式一次資料と照合:用語の定義は公式一次資料と照合しています。

相関係数

2変数の直線的な関係の強さを、-1以上1以下で表す値。他の変数の影響は取り除かない。

偏相関係数

第3の変数の影響を取り除いたうえでの、2変数の相関。3つの相関係数から計算できる。

違いを表で確認

比較軸相関係数偏相関係数
何を表すか2変数XとYの直線的な関係の強さ第3の変数Zの影響を取り除いた後の、XとYの関係の強さ
第3の変数の扱い考えに入れない影響を取り除く
計算に必要なものXとYのデータ(共分散と標準偏差)rXY、rXZ、rYZの3つの相関係数
とりうる範囲-1以上1以下-1以上1以下
みかけの相関との関係みかけの相関でも大きな値になりうるみかけの相関を見分ける手がかりになる
手がかり語の目安2変数の関係、散布図、共分散第3の変数の影響を除く、みかけの相関、擬相関

公式一次資料と照合:統計検定2級: 2026-10-09に一次資料で確認一次資料の一覧を見る →

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どこで迷っているかを切り分ける

01

相関が高いので、XとYに直接の関係があると考える人

XとYの相関が高くても、第3の変数Zが両方に影響しているだけの場合があります。このような、実際には直接の関係がないのに現れる相関を、みかけの相関(擬相関)と呼びます。Zの影響を除いた偏相関係数を見ると、直接の関係の強さがわかります。

02

偏相関係数の式を、暗記だけで覚えている人

NISTのDataplotの解説にある式は、r12.3 = (r12 − r13×r23) ÷ √((1 − r13²)(1 − r23²)) です。分子は、XとYの相関から、Zとの相関どうしの積を引く形になっています。

03

偏相関係数が0なら、XとYは無関係だと考える人

偏相関係数が0に近いのは、Zの影響を除くと直線的な関係が見えないという意味です。これは直線的な関係についての話で、XとYが完全に無関係だと言い切るものではありません。NISTの解説も、0は直線的な関係がないことを表すと述べています。

具体例で使い分ける

編集部の整理

例 1

Zの影響を除くと、相関がほぼ消える場合

rXY=0.8、rXZ=0.9、rYZ=0.9という場面です(数値は学習用の仮の値です)。

  • 分子は0.8 − 0.9×0.9=0.8 − 0.81=−0.01です。
  • 分母は√((1 − 0.81)×(1 − 0.81))=0.19です。
  • 偏相関係数は−0.01÷0.19≒−0.05です。

結論: XとYの相関係数は0.8と高いのに、Zの影響を除くと約−0.05で、ほぼ0です。この場合、XとYの相関は、Zを通じたみかけの相関だったと読めます。

例 2

Zの影響を除いても、相関が残る場合

rXY=0.6、rXZ=0.5、rYZ=0.4という場面です(数値は学習用の仮の値です)。

  • 分子は0.6 − 0.5×0.4=0.6 − 0.2=0.4です。
  • 分母は√((1 − 0.25)×(1 − 0.16))=√(0.75×0.84)=√0.63≒0.794です。
  • 偏相関係数は0.4÷0.794≒0.50です。

結論: 相関係数は0.6、偏相関係数は約0.50で、Zの影響を除いても中程度の相関が残ります。

例 3

Zが2変数と関係ない場合

rXYが0.5で、rXZとrYZがどちらも0の場面です。

  • 分子は0.5 − 0×0 =0.5です。
  • 分母は√((1 − 0)×(1 − 0))=1です。偏相関係数は0.5です。

結論: Zが2変数のどちらとも相関しないなら、偏相関係数は相関係数と同じ値になります。

問題文から答えを選ぶ手順

編集部の整理:みかけの相関の説明、Zが無相関なら相関係数と同じになること、相関係数との差の読み方、3つの数値例(学習用の仮の値)、見分ける手順、確認問題は編集部の学習上の整理です。

  1. 1

    第3の変数の影響を除く指示があるかを確かめる

    「Zの影響を除いた」「Zを一定にした」とあれば偏相関係数、指示がなければ相関係数です。

  2. 2

    必要な3つの相関係数を拾う

    rXY、rXZ、rYZを設問から読み取ります。

  3. 3

    式に代入する

    (rXY − rXZ×rYZ) ÷ √((1 − rXZ²)(1 − rYZ²)) です。分子の引き算を先に済ませます。

  4. 4

    相関係数との差を読む

    偏相関係数が相関係数より大幅に小さければ、みかけの相関の可能性があります。

試験での見分け方

編集部の整理

  • 1相関係数は2変数の直線的な関係で、他の変数の影響は除かない。
  • 2偏相関係数は、第3の変数の影響を取り除いた2変数の相関。
  • 3偏相関係数 = (rXY − rXZ×rYZ) ÷ √((1 − rXZ²)(1 − rYZ²))。
  • 4Zが2変数のどちらとも相関しなければ、偏相関係数は相関係数と同じ。
  • 5相関が高くても、直接の関係を示すとは限らない。

誤答しやすい選択肢

分子を、rXY − rXZ − rYZ のように引く

修正: 引くのは積です。rXZ×rYZ を rXY から引きます。

分母の根号の中を、足し算にする

修正: (1 − rXZ²) と (1 − rYZ²) を掛け合わせます。

相関係数が高ければ、偏相関係数も必ず高いと考える

修正: 例1のように、0.8の相関係数が、Zの影響を除くと約−0.05になることがあります。

偏相関係数が0なら、XとYは無関係だと言い切る

修正: 0は直線的な関係がないことを表します。関係がないと断言する根拠にはなりません。

確認問題

Q1rXY=0.6、rXZ=0.6、rYZ=0.8のとき、Zの影響を除いたXとYの偏相関係数はいくつか。

答え: 0.25

分子は0.6 − 0.6×0.8=0.12、分母は√((1 − 0.36)(1 − 0.64))=√(0.64×0.36)=0.48で、0.12÷0.48=0.25です。

Q2rXY=0.5、rXZ=0、rYZ=0のとき、偏相関係数はいくつか。

答え: 0.5

分子は0.5、分母は1なので、相関係数と同じ0.5です。

Q3実際には直接の関係がないのに、第3の変数の影響で現れる2変数の相関を何と呼ぶか。

答え: みかけの相関(擬相関)

出題範囲表にも、みかけの相関(擬相関)として載っています。

到達チェック

  • 相関係数と偏相関係数の違いを説明できる
  • 偏相関係数の式を、3つの相関係数から計算できる
  • みかけの相関(擬相関)の意味を説明できる
  • 偏相関係数が0に近いときの読み方を言える

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よくある質問

Q偏相関係数と相関係数の一番短い違いは?

A

相関係数は2変数の関係をそのまま表し、偏相関係数は第3の変数の影響を取り除いた後の2変数の関係を表します。

Q偏相関係数はどう計算しますか?

A

3つの変数の相関係数から、(rXY − rXZ×rYZ) ÷ √((1 − rXZ²)(1 − rYZ²)) で計算します。NISTのDataplotの解説にも、同じ式が載っています。

Q統計検定2級の出題範囲に載っていますか?

A

公式の出題範囲表(2018年12月14日付)に、散布図と相関の項目として、みかけの相関(擬相関)と偏相関係数が載っています(2026-10-16確認)。

Q偏相関係数も-1から1の範囲ですか?

A

はい。NISTの解説は、標準の相関係数と同じく、+1は完全な正の直線関係、-1は完全な負の直線関係、0は直線関係がないことを表すと述べています。つまり、相関係数と同じ-1から1の範囲で読みます。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)