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機械学習の概要

G検定の強化学習とは(エージェント・報酬・方策・価値の関係)

G検定の大項目3「機械学習の概要」には、教師あり学習、教師なし学習と並んで強化学習が載っています。強化学習は、行動の結果として得られる数値の報酬を最大にするように、何をすべきかを学ぶ方法です。

このページは、強化学習の教科書の記述をもとに、エージェント・環境・報酬・方策・価値の役割、教師あり学習・教師なし学習との違い、探索と活用、割引率を整理しています。

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結論

  1. 強化学習は、数値の報酬を最大にするように、状況に応じた行動を学ぶ方法
  2. 学習する主体がエージェント、その外側のすべてが環境で、環境が報酬を返す
  3. 報酬は即時の良さ、価値は将来に累積する報酬の期待で、長い目で見た良さを表す
  4. 教師あり学習は正解つきの例から、教師なし学習はラベルなしのデータの構造から学ぶので、強化学習とは別のもの
  5. すでに有効と分かった行動の活用と、未試行の行動の探索は、どちらか一方だけでは課題に失敗する

強化学習の登場人物

強化学習の教科書(Sutton・Barto『Reinforcement Learning: An Introduction』第2版)は、次の5つの語で問題を組み立てています。

語教科書の説明
エージェント学習し、意思決定をする主体
環境エージェントの外側のすべて。エージェントが行動を選ぶと、環境が応答して新しい状況を示す
報酬環境が返す数値。エージェントは、これを長い目で見て最大にしようとする。問題の目標を定めるのも報酬信号
方策環境の知覚された状態から、その状態でとる行動への対応づけ
価値関数ある状態から始めて、将来に累積すると期待できる報酬の総量

混同しやすいのは報酬と価値です。報酬は即時の良さ、価値は長い目で見た良さを示します。教科書は、ある状態がいつも低い報酬しか返さなくても、そのあとに報酬の高い状態が続くなら価値が高くなりうると述べています。

語何を示すか教科書の言い方
報酬即時の意味での良さを示す環境の状態が持つ、即時の本来的な望ましさ
価値長い目で見た良さを示す続く状態とそこで得られる報酬を考えに入れた、状態の長期的な望ましさ

一次資料: Sutton and Barto (2018) Reinforcement Learning: An Introduction, 2nd ed., 1.3節・3.1節

教師あり・教師なしとの違い

教科書は、強化学習を教師あり学習とも教師なし学習とも異なる、第3の機械学習のパラダイムとして位置づけています。

種類何から学ぶか手がかり
教師あり学習ラベル付きの訓練例(状況と、とるべき行動の組)から学ぶ知識のある外部の教師が正解を与える
教師なし学習ラベルなしのデータに隠れた構造を探す目的は構造を見つけることで、報酬の最大化ではない
強化学習行動の結果として得られる報酬信号を最大にするように、何をすべきかを学ぶ試行錯誤と遅延報酬が最も重要な特徴

試行錯誤と遅延報酬が、強化学習の最も重要な2つの特徴です。行動の良し悪しがすぐには分からず、あとになって報酬として返ってくる点が、正解が先に与えられる教師あり学習との違いです。

一次資料: Sutton and Barto (2018) Reinforcement Learning: An Introduction, 2nd ed., 1.1節

探索と活用・割引率

教科書は、エージェントは報酬を得るためにすでに経験した行動を活用する必要があり、同時に、よりよい行動を選べるようになるために、まだ試していない行動を探索する必要があると述べています。活用だけでも探索だけでも、課題に失敗するというのが、探索と活用のジレンマです。

もう一つの基本語が割引率です。教科書は、割引率γを0以上1以下の値とし、将来のk時点先の報酬の価値を、即時に受け取る場合のγの(k−1)乗倍に割り引くものだと説明します。 γが0なら、エージェントは即時の報酬を最大にすることだけを気にする近視眼的なものになります。

一次資料: Sutton and Barto (2018) Reinforcement Learning: An Introduction, 2nd ed., 1.1節・3.3節

シラバスのどこに出るか

JDLA公式シラバス(G2024#6〜)では、強化学習の関連語は、次の大項目のキーワード欄に載っています。

場所内容
大項目3「機械学習の概要」機械学習の種類として、教師あり学習、教師なし学習、強化学習のキーワードが並ぶ。方策勾配法とActor-Criticもキーワードにある
大項目6「ディープラーニングの応用例」キーワード欄に深層強化学習とDQNが載る

具体的な手法の違いはQ学習と方策勾配法の違いに、深層学習との組み合わせはDQNのページにまとめています。10大項目全体の位置づけは出題範囲の整理で確認できます。

選択肢の読み方

教科書の記載から、選択肢を次のように読みます。

  • 「報酬を最大にするように、行動の選び方を学ぶ」は、強化学習の説明
  • 「正解ラベルつきのデータから学ぶ」は、強化学習ではなく教師あり学習の説明
  • 「ラベルなしのデータから隠れた構造を見つける」は、強化学習ではなく教師なし学習の説明
  • 「状態から行動への対応づけ」は方策、「将来に累積する報酬の期待」は価値の説明
  • 「探索だけを続ければよい」「活用だけを続ければよい」という文は、どちらか一方だけでは失敗するという記述と合わない

ここで挙げた読み方は、一次資料の記載から導いたこのページの整理で、出題を予想するものではありません。

よくある質問

強化学習に、正解ラベルは必要ですか?

教科書は、強化学習を、ラベル付きの訓練例から学ぶ教師あり学習とは別のものとして説明しています。強化学習が使うのは正解ではなく、行動の結果として得られる報酬の信号です。

報酬と価値は、同じものですか?

いいえ。報酬は即時の良さ、価値は長い目で見た良さを示します。教科書は、ある状態の報酬が低くても、そのあとに報酬の高い状態が続くなら価値が高くなりうると述べています。

割引率が0だと、どうなりますか?

教科書は、割引率γが0のエージェントは、即時の報酬を最大にすることだけを気にする近視眼的なものになると述べています。γが1未満なら、将来の報酬は遠いほど小さく数えます。

探索と活用は、どちらか一方だけではだめですか?

はい。教科書は、すでに有効だと分かった行動を選ぶ活用と、未試行の行動を試す探索のどちらか一方だけを追うと、課題に失敗すると述べています。

Q学習やDQNも、このページの内容に入りますか?

Q学習やDQNは、強化学習の中の具体的な手法です。このページは強化学習の基本語を扱うので、DQNは別のページで原論文の抄録に沿って整理しています。

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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)