用語比較
セマンティックセグメンテーションとインスタンスセグメンテーションの違い
セマンティックセグメンテーションとインスタンスセグメンテーションは、どちらも画像を画素単位で分類する課題です。違いは、同じクラスの物体を1つの領域として塗るか、個体ごとに区別して塗るかにあります。
G検定では、2つの課題の名前と塗り分け方を結び付ける設問が中心です。クラスだけを塗り分けるのがセマンティック、同じクラスでも個体を区別するのがインスタンスと最初に切り分けます。
このページでは、塗り分けの単位、同じクラスの物体の扱い、代表的なモデルの3つの軸で比較します。人が3人写った画像での出力の違い、論文の抄録で確認できる内容、選択肢を除外する順序まで、試験中に再現できる形で整理します。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
各セクションの見出しの下に、公式資料で確認した内容か編集部の整理かをラベルで示しています。 試験日・料金・申込条件・試験方式は変わることがあるため、申込前に公式サイトで確認してください。G検定の一次情報確認日: 2026-10-02。
結論
セマンティックセグメンテーション
画像を画素単位で分類し、同じクラスの領域を塗り分ける。同じクラスの物体が複数あっても、個体は区別しない。
インスタンスセグメンテーション
画素単位でクラスを割り当てる点は同じだが、同じクラスの物体でも個体ごとに区別して塗り分ける。
違いを表で確認
| 比較軸 | セマンティックセグメンテーション | インスタンスセグメンテーション |
|---|---|---|
| 塗り分けの単位 | クラスごとに画素を塗り分ける | 個体ごとに画素を塗り分ける |
| 同じクラスの物体が複数あるとき | まとめて同じクラスの領域になる | 1つずつ別の個体として区別される |
| 画素へのクラス割り当て | 行う | 行う(セマンティックと同じ) |
| 代表的なモデル | FCN。全結合層を畳み込み層に置き換えて画素単位の予測を行う | Mask R-CNN。Faster R-CNNに物体のマスクを予測する枝を並列に加えた |
| 物体検出との関係 | 境界ボックスは使わず、画素ごとにクラスを答える | 物体を検出しながら、各個体のマスクも生成する |
G検定の学習に使う書籍(Amazon)
試験範囲を通して読むときの1冊です。読んだ章は、このサイトの章別問題で確かめられます。
どこで迷っているかを切り分ける
名前の違いが分からない人
セマンティックは意味、インスタンスは個体と置き換えます。意味(クラス)で塗るのがセマンティック、個体ごとに塗るのがインスタンスです。
物体検出と混ざる人
物体検出は境界ボックスで位置を示します。画素単位で塗り分ける2つの課題とは、出力の形が違います。
モデル名と課題名を取り違える人
FCNはセマンティックセグメンテーションの論文で提案されたモデル、Mask R-CNNは物体インスタンスのセグメンテーションの枠組みとして提案されたモデルです。
具体例で使い分ける
例 1
人が3人写った画像のとき
道路に人が3人並んで写った画像に、2つの課題を適用した場合の出力を比べます。
- セマンティックセグメンテーションは、3人の画素をすべて「人」のクラスとして塗ります。
- インスタンスセグメンテーションは、3人を別々の個体として塗り分けます。
- どちらも画素単位でクラスを割り当てる点は共通です。
結論: 3人を区別するならインスタンス、区別せず「人」の領域としてまとめるならセマンティックです。
例 2
選択肢に「個体ごとに区別して塗り分ける」とあるとき
設問の説明文に、同じクラスの物体でも個体ごとに区別するという記述がある場合です。
- 個体の区別に触れる記述は、インスタンスセグメンテーションの特徴です。
- セマンティックセグメンテーションは、同じクラスの領域をまとめて塗り分けます。
結論: 個体の区別があればインスタンスセグメンテーションと答えます。
例 3
モデル名から課題を選ぶとき
FCNとMask R-CNNのどちらがどの課題に対応するかを答える場合です。
- FCNの論文の題名は『Fully Convolutional Networks for Semantic Segmentation』で、セマンティックセグメンテーションを扱います。
- Mask R-CNNの論文は、物体インスタンスのセグメンテーションの枠組みを示しています。
結論: FCNはセマンティック、Mask R-CNNはインスタンスと結び付けます。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
画素単位かを確認する
境界ボックスで位置を示す記述は物体検出です。画素単位で塗り分ける記述なら、セマンティックかインスタンスのどちらかです。
- 2
個体の区別を見る
同じクラスの物体を個体ごとに区別するならインスタンス、クラスで塗り分けるだけならセマンティックです。
- 3
モデル名を結び付ける
FCNならセマンティック、Mask R-CNNならインスタンスです。
- 4
言い過ぎに注意する
インスタンスが常に優れているとは言えません。課題の目的が違うだけです。
試験での見分け方
- 1画素単位でクラスを塗り分け、個体は区別しないのはセマンティックセグメンテーション。
- 2同じクラスの物体でも個体ごとに区別して塗り分けるのはインスタンスセグメンテーション。
- 3FCNはセマンティックセグメンテーションのモデル。
- 4Mask R-CNNはFaster R-CNNにマスクを予測する枝を加えた、インスタンスセグメンテーションのモデル。
- 5境界ボックスで位置を示すのは物体検出で、2つの課題とは別。
誤答しやすい選択肢
インスタンスセグメンテーションは画素単位ではないと考える
修正: 画素単位でクラスを割り当てる点はセマンティックセグメンテーションと同じです。違いは個体を区別するかどうかです。
セマンティックセグメンテーションも個体ごとに分けると考える
修正: セマンティックセグメンテーションは同じクラスの領域を塗り分けるだけで、個体は区別しません。
Mask R-CNNをセマンティックセグメンテーションのモデルと考える
修正: Mask R-CNNはFaster R-CNNに、物体のマスクを予測する枝を並列に加えたインスタンスセグメンテーションの枠組みです。
物体検出と同じ課題だと考える
修正: 物体検出は境界ボックスで位置を示します。2つのセグメンテーションは画素単位で塗り分ける点が異なります。
確認問題
Q1画像を画素単位で分類し、同じクラスの領域を塗り分けるタスクはどちらですか?
答え: セマンティックセグメンテーション
クラスごとに塗り分け、個体は区別しないのがセマンティックセグメンテーションです。
Q2画素単位でクラスを割り当てたうえで、同じクラスの物体でも個体ごとに区別して塗り分けるタスクはどちらですか?
答え: インスタンスセグメンテーション
個体の区別があるのがインスタンスセグメンテーションです。
Q3Faster R-CNNに物体のマスクを予測する枝を並列に加えたモデルは何ですか?
答え: Mask R-CNN
原論文の抄録は、境界ボックスの認識と並列にマスク予測の枝を加えたと述べています。
到達チェック
- 2つの課題がどちらも画素単位であると説明できる
- 同じクラスの物体の扱いの違いを言える
- FCNとMask R-CNNがそれぞれどちらの課題か答えられる
- 物体検出との出力の違いを説明できる
関連ページで確認する
同じ資格で次に知りたいこと
- グリッドサーチとランダムサーチの違い
グリッドサーチとランダムサーチの違いを、候補の選び方、試行回数、重要なハイパーパラメータの探し方、G検定での判断手順、計算例と確認問題まで解説します。
- CBOWとSkip-gramの違い|word2vecの2つのモデル(G検定)
CBOWとSkip-gramの違いを、予測の向き(周辺の語から中心の語か、中心の語から周辺の語か)、計算量の式、原論文の比較表の数値、G検定での見分け方と確認問題まで解説します。
- 幅優先探索と深さ優先探索の違い|調べる順番と最短経路の保証(G検定)
幅優先探索と深さ優先探索の違いを、頂点を調べる順番、キューと再帰、最短経路が求まるかどうかで整理します。小さな例で調べる順を追い、G検定の探索木の問題で迷わない判断手順と確認問題も掲載します。
よくある質問
Q2つのセグメンテーションの最大の違いは何ですか?
同じクラスの物体を1つ1つ別のものとして区別するかどうかです。セマンティックセグメンテーションは区別せず、インスタンスセグメンテーションは区別します。
Qどちらも画素単位ですか?
はい。どちらも画素単位でクラスを割り当てます。
QMask R-CNNは何を加えたモデルですか?
Faster R-CNNに、物体のマスクを予測する枝を、境界ボックスの認識の枝と並列に加えたモデルです。
QFCNは何を扱うモデルですか?
セマンティックセグメンテーションです。原論文は、畳み込みネットワークだけで画素から画素へ学習した構成が、当時の最先端を上回ったと述べています。
次に見る比較
- G検定・DS検定・統計検定2級で重なる用語10語の比較
同じ名前の用語の定義と収録章を、資格ごとに並べます。
- ベイズの定理と条件付き確率の違い(統計検定2級の式と計算例)
求める確率の向きの違いと、陽性になる確率の計算例を確かめます。
- 紛らわしい用語ペア早見表
混同しやすい用語の違いと判定の手掛かりを、資格別の一覧で確かめます。
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
