用語比較
RMSpropとAdamの違い|勾配の2乗の移動平均か、1次のモーメントとバイアス補正も使うか(G検定)
RMSpropとAdamは、どちらもパラメータごとに学習率を調整する最適化手法で、G検定の「学習の仕組み」で並んで出てきます。Adamは名前の由来がadaptive moment estimation(適応的モーメント推定)で、RMSpropと近い関係にあるため取り違えやすくなります。
RMSpropは勾配の2乗の移動平均で学習率を調整し、Adamは勾配の1次と2次のモーメントの移動平均を使い、バイアス補正の項も持つと覚えると、選択肢を切り分けられます。
このページは、Adamの原論文(arXiv、ICLR 2015)の記述をもとに比べます。AdaGradとRMSpropの違い、SGDとAdamの違いは別のページにあります。
この記事の目次
この記事の根拠と出典
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結論
RMSprop
最近の勾配の大きさの移動平均で学習率を調整する。オンラインや非定常な設定でよく働く。論文ではなくCoursera講義で説明された。
Adam
勾配の1次と2次のモーメントの推定からパラメータごとの学習率を計算する。AdaGradとRMSPropの利点を併せ持つよう設計され、バイアス補正の項をもつ。
見分け方
選択肢に「1次と2次のモーメント」「バイアス補正」があればAdam、「勾配の2乗の移動平均」だけが挙がっていればRMSprop(試験向けの目安で、実装ごとの細部は異なる)。
違いを表で確認
| 比較軸 | RMSprop | Adam |
|---|---|---|
| 使う統計量 | RMSprop:勾配の2乗の移動平均(最近の勾配の大きさ) | Adam:勾配の1次と2次のモーメントの移動平均 |
| 更新の作り方 | RMSprop(モメンタム付きの版):再スケールした勾配にモメンタムをかけて更新を作る | Adam:1次と2次のモーメントの移動平均から、更新を直接推定する |
| バイアス補正 | RMSprop:バイアス補正の項がない | Adam:バイアス補正の項がある |
| β2が1に近いときの挙動 | RMSprop:補正しないと、非常に大きなステップになり、しばしば発散すると論文は述べる | Adam:論文は、ステップの大きさがステップサイズのハイパーパラメータでおおよそ上から抑えられると述べる |
| 設計の位置づけ | RMSprop:2012年にCoursera講義で説明された手法 | Adam:疎な勾配に強いAdaGradと、非定常な設定に強いRMSPropの利点を併せ持つよう設計され、2015年のICLRで発表された |
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どこで迷っているかを切り分ける
「1次のモーメント」「バイアス補正」という語が出る人
Adamです。勾配の1次と2次のモーメントの移動平均を使い、補正の項をもちます。
「勾配の2乗の移動平均で割る」という語が出る人
RMSpropです。ある重みの学習率を、その重みの最近の勾配の大きさの移動平均で割ります。
「AdaGradとRMSpropの利点を併せ持つ」という語が出る人
Adamです。論文が設計の目的として挙げています。
具体例で使い分ける
例 1
選択肢に「バイアス補正の項」が出る場合(架空の場面)
「勾配の1次と2次のモーメントの推定を使い、バイアス補正の項を持つ最適化手法はどれか」という問いがあります。
- 1次と2次のモーメントの推定と、バイアス補正の項を挙げるのはAdamの論文です。
- RMSpropには、バイアス補正の項がありません。
結論: バイアス補正があるならAdamです。
例 2
選択肢に「勾配の2乗の移動平均で学習率を割る」が出る場合(架空の場面)
「ある重みの学習率を、その重みの最近の勾配の大きさの移動平均で割る手法はどれか」という問いがあります。
- 最近の勾配の大きさの移動平均で割るのはRMSpropです。
- Adamはさらに、勾配そのものの1次のモーメントも使います。
結論: 2乗の移動平均で割るだけならRMSpropです。
例 3
「AdaGradの上位互換」と書かれた選択肢が出る場合
「Adamは、AdaGradの欠点を直した手法である」という文の正誤を問う問いがあります。
- Adamの論文は、AdaGradとRMSPropの利点を併せ持つよう設計したと述べます。
- また、AdaGradは特定の設定にしたAdamに相当すると述べます。
結論: 「AdaGradとRMSpropの利点を併せ持つ」が論文の言い方です。上位互換と断定する表現は、根拠が示されていません。
問題文から答えを選ぶ手順
- 1
統計量を見る
「1次と2次のモーメント」ならAdam、「2乗の移動平均」だけならRMSpropです。
- 2
バイアス補正を見る
補正の項があるのはAdamです。
- 3
設計の位置づけを見る
「AdaGradとRMSpropの利点を併せ持つ」ならAdamです。
- 4
年を見る
RMSpropは2012年、Adamの論文は2014年にarXivへ投稿され、2015年のICLRで発表されました。
試験での見分け方
- 1Adamは、勾配の1次と2次のモーメントの推定から、パラメータごとに個別の適応的な学習率を計算する。
- 2Adamは、疎な勾配に強いAdaGradと、オンラインや非定常な設定に強いRMSPropの利点を併せ持つよう設計された。
- 3RMSPropにはバイアス補正の項がなく、β2が1に近い場合に、非常に大きなステップになり発散することがある。
誤答しやすい選択肢
RMSpropとAdamはどちらも1次のモーメントを使うと考える
修正: RMSpropは勾配の2乗の移動平均で調整する手法です。1次と2次のモーメントの移動平均を使うのはAdamです。
RMSpropがAdamより新しいと考える
修正: RMSpropは2012年、Adamは2014年の論文です。Adamの論文は、RMSPropと近い関係にあり、AdaGradとRMSPropの利点を併せ持つよう設計したと述べます。
Adamは必ずRMSpropより良いと考える
修正: 論文が示すのは、バイアス補正の有無などの設計上の違いです。どちらが常に優れるという主張は、論文にはありません。
確認問題
Q1勾配の1次と2次のモーメントの推定から、パラメータごとの適応的な学習率を計算する手法は?
答え: Adam
名前は adaptive moment estimation(適応的モーメント推定)に由来します。
Q2Adamの論文が、RMSPropには無いと述べた項は?
答え: バイアス補正の項
β2が1に近いとき、補正しないと非常に大きなステップになり、しばしば発散すると述べます。
Q3Adamは、AdaGradとRMSPropそれぞれのどんな利点を併せ持つよう設計されましたか?
答え: AdaGradは疎な勾配に強く、RMSPropはオンラインや非定常な設定に強い
それぞれの利点を併せ持つように設計されたと論文は述べます。
到達チェック
- RMSpropが使う統計量(勾配の2乗の移動平均)を言える
- Adamが使う統計量(1次と2次のモーメント)を言える
- バイアス補正の項があるのがAdamだと言える
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よくある質問
QRMSpropとAdamの違いは?
RMSpropは勾配の2乗の移動平均で学習率を調整します。Adamは勾配の1次と2次のモーメントの移動平均を使い、バイアス補正の項も持ちます。
QAdamの名前の由来は?
adaptive moment estimation(適応的モーメント推定)に由来すると論文は述べます。
QAdamの論文はいつ発表されましたか?
arXivには2014年に投稿され、2015年のICLR(International Conference on Learning Representations)で発表されました。
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執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)
