統計検定2級 用語解説
第1種の過誤とは
本当は正しい帰無仮説を誤って棄却してしまう誤り。
この記事の目次
まず押さえる結論
第1種の過誤は、統計検定2級の「第5章 仮説検定」で確認しておきたい用語です。定義だけでなく、どの場面で使う言葉か、何と混同しやすいか、問題文のどの表現で判断するかまで確認します。
情報源と編集区分
公式範囲を確認し、具体例・誤答例・判断手順は当サイトが編集。 一次情報確認日: 2026-07-11。
試験概要(公式)混同しやすい用語との差
第1種の過誤 / 第2種の過誤
第1種の過誤は、正しい帰無仮説を誤って棄却することです。
第2種の過誤は、誤っている帰無仮説を棄却できないことです。
見分け方: 本当は帰無仮説が正しいのか、誤っているのかを先に置いて考えます。
比較記事でさらに確認する
具体例から判断の境界を固める
帰無仮説を棄却できなかった誤りではなく、正しい帰無仮説を誤って棄却してしまう誤りとして捉える
本当は正しい帰無仮説を、検定の結果として誤って棄却してしまう誤りを指します。有意水準は、この第1種の過誤をどれくらいまで許容するかを事前に決めた上限にあたります。有意水準を小さく設定するほど、本当は正しい帰無仮説を誤って棄却してしまう確率は下がりますが、他の条件が同じであれば第2種の過誤が起こりやすくなる、という関係も押さえておきます。
- 問題文で見る箇所
- 「本当は正しい帰無仮説」「誤って棄却」という語の組み合わせを確認します。「誤っている帰無仮説を棄却できない」という逆方向の説明であれば、第1種の過誤ではなく第2種の過誤を候補にします。
- 隣接概念との境界
- 第2種の過誤は、誤っている帰無仮説を棄却できずに受け入れてしまう誤りです。第1種の過誤は正しい帰無仮説を誤って棄却する誤りなので、帰無仮説の真偽と、検定の結果として棄却するかしないかの組み合わせで4通りに整理すると混同を防げます。
誤答しやすい選択肢
- 誤っている帰無仮説を棄却できなかった場合を第1種の過誤とする。それは第2種の過誤の説明であり、第1種の過誤は正しい帰無仮説を誤って棄却する場合です。
- 有意水準を第1種の過誤が実際に起きた回数の割合とする。有意水準は第1種の過誤の起こりやすさの上限として事前に決める基準値です。
- 有意水準を小さくすると第1種の過誤・第2種の過誤の両方が同時に小さくなるとする。標本の大きさなどの条件が同じ場合、有意水準を小さくすると第2種の過誤は起こりやすくなる関係があります。
4段階の判断手順
- 01帰無仮説が本当は正しいのか誤っているのかを設問文から先に固定する。
- 02検定の結果として棄却したのか、棄却しなかったのかを確認する。
- 03正しい帰無仮説を棄却した場合を第1種の過誤として特定する。
- 04有意水準がこの誤りの起こりやすさの上限であることを踏まえ、第2種の過誤との関係も確認する。
到達条件: 第1種の過誤を正しい帰無仮説を誤って棄却する誤りとして説明し、有意水準・第2種の過誤との関係を言える。
試験での問われ方
定義の言い換え
用語そのものではなく、説明文の一部を言い換えて出されることがあります。
似た概念との比較
同じ章の用語と入れ替えた選択肢に注意します。対象、目的、使う場面を分けます。
具体例からの判断
問題文の事例が、定義のどの部分に対応しているかを先に確認します。
誤答しやすいポイント
×p値を『帰無仮説が正しい確率』と誤解する。p値は帰無仮説のもとで観測結果以上に極端な結果が出る確率。
×第1種の過誤と第2種の過誤の取り違え。前者は正しい帰無仮説を棄却する誤り。
×片側検定と両側検定の選択。対立仮説の向きが事前に決まっているかで変わる。
関連する確認問題
第5章 仮説検定 / 検定の考え方
本当は対立仮説が正しいのに、帰無仮説を棄却できない誤りはどれか。
正解は「第2種の過誤」である。本当は対立仮説が正しい、つまり帰無仮説が誤っているのに、帰無仮説を棄却できない誤りを第2種の過誤という。第1種の過誤は正しい帰無仮説を誤って棄却する誤り、有意水準は第1種の過誤を許す基準、点推定は母数を1つの値で推定する方法である。 過誤は、帰無仮説の真偽と検定の判断を組み合わせて区別する。正しい帰無仮説を棄却するのが第1種、誤った帰無仮説を棄却できないのが第2種であるため、本問は第2種の過誤となる。真偽と判断を表にして照合するとよい。
第5章 仮説検定 / 検定の考え方
有意水準の説明として、最も適切なものはどれか。
正解は「帰無仮説を棄却するかどうかを判断するために事前に定める基準である」である。有意水準は仮説検定の判断基準であり、データを見た後ではなく事前に定める点が重要になる。その基準を使って帰無仮説を棄却するかを判断し、第1種の過誤とも関係する。見分けるときは、利用場面が仮説検定か、判断対象が帰無仮説か、設定時点が事前かの3点を確認する。回帰モデルの説明力は決定係数、データを4等分する位置は四分位数、標本から計算した平均は標本平均であり、いずれも有意水準の役割ではない。
第5章 仮説検定 / 検定の考え方
検出力に関する説明として、最も適切なものはどれか。
正解は「対立仮説が正しいときに帰無仮説を棄却できる確率である」である。検出力は、対立仮説が正しいときに棄却域に基づいて帰無仮説を棄却できる確率であり、有意水準や第1種の過誤・第2種の過誤と関連する概念である。帰無仮説が正しい確率そのものではなく、無作為抽出した標本の人数を指す語でもない。回帰直線の残差の平均のように回帰分析で使う量とも異なる概念である。 仮説検定の確率は条件と判断結果を分ける。検出力は対立仮説が真という条件下で棄却に成功する確率で、第2種の過誤確率をβとすれば1−βである。仮説自体の事後確率、標本数、残差の要約ではない。
同じ章で確認したい用語
到達チェック
- 第1種の過誤を一文で説明できる
- 同じ章の似た用語と違いを説明できる
- 問題文の具体例から、第1種の過誤に関係する論点を拾える
- 関連問題を解き、誤答した選択肢の理由を確認できる
執筆: ミナト編集部(運営者情報を見る)